沖縄でレンタカーを借りて、そのままユタのおじいちゃんのところに私は向かった。初めての沖縄の土地、車の運転は慣れない。急勾配のほっそい坂道をサスのへたったレンタカーで、ばいんばいんしながら向かった。
でも、ナビでたどり着いたはいいけれど、
「今、鑑定されてるのかしら」
と言っていて、いや、予約取れたよな、やってるよな、と冷や汗が出そうだった。そして、なんとか一軒家のような場所に見つけて、そこに入ったら、無事に見てもらえることになった。生まれた日や自分の干支や家族の干支、そして祖父が長男かどうかを紙に書いた。どんな人が出てくるんだろう、仰々しいthe 霊能者!!みたいな感じでくるのか こんなふうにユタに見てもらうということが初めてだった私の冷や汗は止まらない。だけど聞きたかったのだ、当時家族の病気について。そのためだけに私は沖縄へ飛んだ。最後の一枠で、ご縁は繋がった。私はこの時点で来た意味があったと思っていた。
大きな美しい仏壇、その横にジャージ姿のおじいちゃん。あまりにも普通のおじいちゃんだった。そして、私が席に座った瞬間。
「あなたのお父さん、コツコツやる人……⚪︎⚪︎のお仕事してるね。お母さんじっとしてられないね、すぐ自分で決めて動く、妹さんは自分のことは自分で決める人 お家を新しくしたんだね」
ペラペラペラペラとおじいちゃんは席に座るなり、何も伝えてないのに私に一気に話を始める。それが実際に目の前でみているようで、しかもなまじ当たっていたので驚きながら、メモを取ったりたくさんのことを質問した。家族の病気についても質問した。
「残念ながらね、神々の力を頼っているだけでは病気は治らない。きちんと病院を受診しなくてはいけないよ」
「そうですよね。それはもちろん、他にもできることがあるならしたかったんです」
「その方の故郷の水と空気。それが力になる」
おじいちゃんは、せっかくだから恋愛も見てあげよう、と当時好きだった人を見てくれた。
「……だめ、この人じゃない」
私はむっつりした。私の顔を見て、ええっとおじちゃんはのけぞり、横を指差して、
「だって……縁ないって言ってるよ?」
「私にはみえも聞こえもしませんよ」
ぶっすーと膨れながら、私はそっぽを向いて答えた。
「……神様っているんですか」
その問いに、おじいちゃんは微笑んだ。
「いるよ。神も仏も。神は天を守り仏は地を守る。ご縁はね、いただくもの」
すっと視線を上げた。
「故郷に戻ったら、氏神様にご挨拶に行きなさい。あなたたちの守りが強くなる。あなたは勘がとても鋭い。そしてあなたのお母さんも鋭い」
その時、時間がゆっくり流れたように私には感じた。
「神様はね、人のしたことだけをみている。頭の中だけでは意味がない。未来はね、ゆらゆら動くの」
そうして私の顔を見て、にっこり笑った。
「頑張って」
外に出たら、風とともに、生ぬるい花の匂いがした。
人生で初めて、ブルーシールのアイスをちまちま舐めながら、私は人生で初めての衝撃の経験に空を仰いで、しばらく放心状態だった。
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